正月休み ささいな夫婦喧嘩で壊れた生活
5年以上続いた介護生活。
突如ひびが入ったのは、2025年の正月休み、1月3日のことだった。
1月3日の夕方、母親は昼寝をしていた夫に、心菜ちゃんをうつ伏せの状態から仰向けにする手伝いを頼んだ。
夫はその日の夜、友人らとの新年会に参加する予定だったが、妻からの声掛けで起こされた際、不機嫌な態度をとった。

母親 『ああ、いっちょん寝れん(全然寝られない)。
6時から飲み会。飲み会遅れて行こうかな』と不機嫌な態度でした。
弁護士 どう思いましたか
母親 心菜より飲み会を優先するんだ。
ずっとうつ伏せのままでかわいそうすぎると怒りがわいてきました。
弁護士 びっくりしましたか
母親 はい。
この日は、夫の手を借りずに、1人で心菜ちゃんの体の向きを変えた。
母親 怒りを押し殺して冷めた態度で『ひとりでするからいいよ』と断ったら
『いいと?』と言われました。
これまで夫婦げんかをすることはたまにあったが、心菜ちゃんの世話をめぐってはこれが初めてだった。
母親 深夜の体交をすると言ってきましたが、
午前1時ですし お酒も入っていて起きれるわけないだろうと思い、
冷淡に『いいよ』と言いました。
怒りから悲しみに変わり涙が止まらなくなりました。
心菜がかわいそうと思いました。よく放っておけるなと。
怒りは悲しみに変わった。
母親は、これまで親族が心菜ちゃんにとってきた心ない言動を思い出し、孤独感や疎外感を高めていく。