「一番茶」の平均価格、1000円以上値上がり 消費者の八女茶離れを危惧

さらに、「玉露の生産量日本一」を誇る八女市ですが、いま生産者の人手不足が深刻化しています。
この抹茶ブームが続き利益率が上がれば後継者も増えそうですが、問題はそう単純ではありません。

福岡県茶商工業協同組合 流通部会 木屋康彦 部会長
「海外輸出というものが出てきたことによって量のバランスが変わってしまったわけですね。ですから、てん茶が増えることによって、実はお煎茶関係、こういうものが原材料として流れていっているので、実は日常のお茶というものに影響は出てきています」
長年、八女茶が愛されてきた理由は、高品質な煎茶とブランド化された玉露です。

しかし、抹茶ニーズの高まりなどを背景に、その年の最初に摘み採られる新芽で作られた今年の「一番茶」の平均価格は、1kg=4265円と去年より1000円以上も値上がり。
急激な「抹茶シフト」によって消費者が八女茶を飲む機会を減らし、その存在感が薄れていくのではないかと危惧されています。
JAふくおか八女 茶業課 永松修 課長
「本来はやっぱり玉露の産地といったところがイメージとしてあるので、それを基本にしながら、抹茶の需要に沿っていければと思っています」
資材の高騰などに苦しんできた生産者たち。突如として訪れた抹茶ブームをチャンスとして生かせるのか、日本一のお茶どころで試行錯誤が始まっています。