今年7月、SNSで奇妙な動画が拡散した。夜道、車のヘッドライトに照らされ浮かび上がったのは、申し訳なさそうによちよちと歩く数匹のミニチュアダックスフントだ。お腹を空かせているのだろうか、鼻先を土にこすり、餌がないか地面をを探っているようにも見える。首輪はなく近くに飼い主もいない。どこへ向かうでもなく、道路脇のやぶを短足胴長、垂れ耳が愛らしいミニチュアダックスフントがただたださまよっていた―。
◆捜査線に浮上したのは福岡県の40代夫婦

ペットとして人気の犬種が同時に何匹もさまよっている“異様”な場面に遭遇した人は、すぐに警察に通報した。仮に飼い主が道に捨てたのであれば、動物愛護法に違反するおそれがあるからだ。
通報をうけた警察は聞き込みを進め、“遺棄現場”につながる道路の防犯カメラなどに手がかりが残されていないか洗った。
動画が撮影されたのは、福岡県宗像市冨地原の県道。捜査線に浮上したのは20キロほど離れた北九州市戸畑区に住む40代の夫婦だった。