◆危険と隣り合わせのボートレース
館内放送「起床、起床」

一日の始まりは、まだ夜が明け切れていない早朝6時。プロ野球の現役時代とは生活が大きく変わりました。ボートレーサーは命の危険を伴う競技のため、訓練も気を緩めることは一切できません。ボートの最高速度は80キロ。船体を旋回させるターンは、数え切れないほど練習しました。

教官「自分の旋回半径を把握する。いいな?」
50人以上いた養成所の練習生は、この1年間で半分以下となりました。
「一年間教えていただいた教官方への、恩返しとはいかないけど、成果を見せたいなと思います。
◆卒業記念レース終え感謝の涙「一流選手を目指す」
そして、9月21日。

「完全無事故で、みんなで最高のレースを作り上げよう、いくぞ!」
修了式に先駆け、養成所では最後となる卒業記念のレースが行われました。1号艇・白の野田さん、スタートはいい位置に付けますが……1回目のターンが膨らみ、3号艇にかわされます。その後のターンは決まり、何とか食らいついていきますが……かわすことはできず、2位でフィニッシュしました。
家族の支えを受け、1年間に及ぶ厳しい訓練を乗り越えた野田さん。ボートレーサーとして第2の人生をスタートさせます。

野田昇吾さん「人生で一番長い一年だったんじゃないかな……辛かったですけど、本当に家族には支えられたかな。もう一度プロスポーツ選手になることができたので、一流の選手を目指し、ファンの方々に愛されるような選手になっていきたいと思っています」