古くからゾウが国の象徴として親しまれてきたタイで、「人間とゾウの共存」が大きな社会課題となっています。
人に虐待される飼育ゾウ、そして人を襲う野生のゾウたちが自然との向き合い方を突きつけています。
約3800頭が飼育されているタイ
古くからゾウが国の象徴として親しまれてきたタイ。

国内で飼育されているゾウはおよそ3800頭で、観光客向けのキャンプは、世界全体の7割がタイにあるとされています。
アユタヤのゾウ乗り体験施設は、連日、多くの日本人観光客らでにぎわっています。

アユタヤエレファントキャンプ ナムティプ・ゲートゲォー マネージャー
「タイではゾウに乗ることは縁起が良いと考えられてきました。観光客はタイに来るとゾウのことを思い浮かべますし、私たちの文化の一つになっています」
しかし、近年は動物福祉の観点からゾウ乗り観光に対する批判の声も高まっています。
ゾウの調教「虐待」との批判も
WAP=世界動物保護協会は4年前、観光施設のゾウ使いらが、人間を乗せるためにゾウに暴力的な調教を行っているとして「虐待行為だ」と警告しました。

WAPが公開した動画には、悲鳴をあげるゾウの様子が映っています。
こうした中、タイではゾウとの関わりや観光のあり方を見直す動きが広がっています。