労災にあたる”公務上災害”に認定 長時間労働と叱責

男性の死は、地方公務員災害補償基金(以下、地公災基金)が2021年に、労災にあたる”公務上災害”に認定している。

「長時間労働が続き先輩教諭から激しい叱責、指導を繰り返し受け、自死に至ったものと考えられる」と判断した。

長時間労働 148時間の月も

地公災基金によると男性の時間外労働は、「5月の連休明けから2か月連続で月120時間以上」に及び、自殺する前の1か月も、過労死ラインとされる80時間を超えていた。

地公災基金は、男性が「長時間に及ぶ時間外勤務により、相当強い精神的または肉体的負荷を受けていた」と認定した。

皆の前での叱責され「涙を流して謝罪」

長時間労働に加えて、地公災基金が認定したのは、男性が指導担当の教諭から「長時間にわたり、高圧的ともとれる厳しい叱責、指導を繰り返し受けていた」ことだ。

さらに、自殺した当日についても「自死当日の長時間に及ぶ閉鎖的な環境下での叱責を契機として急性的なストレス反応を起こし、自死に至ったものと考えられる」と認定した。

訴状などによると、午後6時25分から約2時間、男性と複数の教諭による話し合いが行われた。
この中で男性は、指導担当の教諭から宿題の出し方などをめぐり皆の前で叱責された。そしてほか2人の教諭もそれに同調した。男性は謝罪させられ、立ったまま泣いていた。

話し合いの後も、別室で泣いていたという。

そして午後10時頃、学校内で自殺しているのを発見された。