太平洋進出で重宝された水上飛行機

太平洋の島国パラオの海に沈んでいる零式水上偵察機。
広大な太平洋に進出しながら飛行場を十分に整備できない中で重宝されたのが水上飛行機でした。
現在、国内で唯一その機体を見ることができるのが鹿児島県南さつま市の万世特攻平和祈念館です。
国内「唯一」機体の展示

RKB 今林隆史記者「砂に埋もれた状態で発見された機体。福岡県の糸島にあった基地から飛来したものでした」
糸島の玄界航空基地から飛び立ち指宿の基地を経由して沖縄方面を偵察した零式水上偵察機。
米軍機の追撃を逃れながら帰る途中、燃料が切れて不時着したものです。

糸島の資料館に展示されているのと同じ部品が見えます。
有名な戦闘機零戦=零式艦上戦闘機と同じ1940年に採用された機体は大戦末期には旧式化していたということです。

万世特攻平和祈念館 楮畑耕一さん「アジア太平洋戦争中というのは、航空機の進化というのは非常に早かったと考えられています。陸海軍の戦闘機でも当時の連合軍の戦闘機にはおそらくかなわなかったのではないかと思いますので、零式水上偵察機はだいぶ旧式化していたと思います」
アメリカ軍が「遅い」 撮影された零式水上偵察機

1944年、アメリカ軍が攻撃中に撮影した零式水上偵察機の映像です。
この時、米軍の記録では零式水上偵察機について「速度が遅い」と報告されています。
「Jakes were slow」

その水上飛行機も特攻に使われていたことを伝えている鹿児島県の指宿海軍航空基地の跡地。

水上飛行機の基地があった指宿からはあわせて44機・82人が爆弾を抱え片道分の燃料だけを積んで飛び立ちました。