浸水やがけ崩れも起きた2017年
これに危機感を抱いたのが、市民防災会の会長を務め、防災士でもある古川裕子さん(77)です。

若松区東28区市民防災会 古川裕子 会長「これでいいんかよ、って思って。2017年に、福岡県朝倉市で大きな災害があったじゃないですか。それと数日違いでこの地区もかなり降ったんです。冠水したところもあって床下浸水したところもあって、小さながけ崩れは2~3か所ありました。『さーっと連絡できて誰も逃げ遅れない体制が必要だね』ってなって緊急ネットワークを作る事になりました」
グループ単位で連絡網

古川さんたちは、一人の犠牲者も出さない体制をつくろうと、3世帯から8世帯ごとにグループ分けを行いました。グループは、災害時には連絡網を使って「避難指示」などの情報を速やかに共有します。
グループのリーダーの一人波賀貞雄さん(78)です。
訓練当日、自治会のメンバーから電話がかかってきました。
波賀貞雄さん「はい、避難訓練」
自治会のメンバー「グループで集まって畠田公民館に直ちに避難して下さい、緊急ネットワークの連絡をお願いします」

連絡を受けた波賀さんは、連絡網を使って、防災訓練が始まったことと公民館に避難することを同じグループの5つの世帯に伝えていきます。

波賀貞雄さん「今回は公民館に避難いたします」「はいどうもー」
「これで全部連絡しました」家の外に出ると、すでに波賀さんのグループが集まり始めていました。

同じグループの人の姿が見えない場合は、チャイムを鳴らして、避難しているか確認します。揃ったことを確認した一行は、公民館に向かって出発しました。