◆学校に通えたのは4か月

添田さん「家族みんなで寝られる、嬉しいね、公園も行ける最高やねっていう毎日を過ごし。ランドセルを買ってあげられる喜び、嬉しくてどれでもいいよ2個でもいいよ、頑張ったもんねと言って買いました。希望に満ちていましたね」

退院の2年後、小学校に入学した千歳ちゃんは、夏休みにレモネードスタンドの活動に加わりました。

添田さん「自分は元気にしてもらったけど、今も病院で頑張っている子供達がいるんだったら自分は力になりたいと言っていたので。いつもしてもらうばかり、ありがとうと言っていることが多かった自分が誰かにありがとうと言っ
てもらえることができることが最大の喜び」

しかし、その1週間後に白血病を再発。学校に通えたのはわずか4か月でした。臍帯血移植を受けて一時退院したものの、またすぐに発症。このとき、医師から余命宣告がありました。

添田さん「ちーちゃんが大きくなる姿を見ることはできませんと言われていた。やりたいことをやらせてあげてって言われるんです。それに対して私はいや、まだ治療にのせてくださいと」

◆誰かの役に立つために

千歳ちゃんがやりたいことは「誰かの役に立つこと」。4時間におよぶ輸血を受けて再びレモネードスタンドに立ちました。千歳ちゃんの絵日記に描き残された思い出は、この日が最後です。2018年8月6日、7歳で亡くなりました。

添田さん「千歳が亡くなってからはできれば部屋から出たくない、布団からでたくない、何もしたくないんですよ」

つらい記憶から逃れるため、一時は実家に戻って駄菓子屋を手伝い、今年1月には千歳ちゃんと暮らした街に新しい駄菓子屋をオープンさせました。

店に集まる子供たちの笑顔に癒やされたことや、地域の人たちが支えてくれたことで少しずつ前を向けたといいます。