10日先までの欧米モデルも東日本方面への北上を示唆
台風の進路予報は「アンサンブル予報」という手法で行っています。数値予報で計算に使う最初の値をわずかに変えたものを複数計算して、その平均やばらつきの程度といった統計的な情報を用いて、進路を確率的に予想するものです。

たとえば現在、九州の西の海上を北上している台風6号について、ヨーロッパ中期予報センターのアンサンブル予想結果と気象庁の進路予想を比較したものです。
朝鮮半島付近に北上するまでアンサンブル予想の結果の一つ一つはわりとそろっていますが、こういう予想のブレ幅が小さい場合、気象庁の進路予想の予報円も小さくなっています。
ヨーロッパ中期予報センター

ではヨーロッパ中期予報センターが発表している台風7号のアンサンブル予想結果(240時間先まで・9日午前9時予想)を見ると、東日本方面へ向かう予想が多いことがわかりますがブレ幅があります。一部は西日本や日本の東海上に向かうものもあり、まだ進路のブレ幅は大きいことがわかります。
アメリカ海洋大気庁

アメリカ海洋大気庁のアンサンブル予報(240時間先まで・8日午後9時予想)をみても、東日本へ向かう予想は多いものの進路のブレ幅が大きい状況です。
上空の太平洋高気圧の強まり方や、週末以降に西から進んでくる予想の上空の気圧の谷が通過によって偏西風が蛇行するタイミングが台風7号の進路を決める一つのカギとなりそうです。

場合によっては強い勢力で東日本を直撃してお盆休みに大きな影響を与えるおそれがあります。今後の最新情報に留意してください。