4月に入ってからも北海道で発生するなど、鳥インフルエンザの猛威が続いています。今シーズン、すでに1740万羽と全体の1割を超える鶏が殺処分されました。そうなると、やはり、たまごが足りません。その影響は、とうとう給食の献立にまで及んでいます。

広島県内では、鶏インフルエンザは1月22日以降の発生はなく、4月11日で全ての移動制限などが解除されました。とはいえ、今季、殺処分されたのはおよそ168万羽。これは県内全体の2割弱にあたり、全国的な状態よりもさらに深刻といえます。

全農広島が発表している取り引きの基本となる鶏卵価格の基準値は、4月14日時点で1キログラムあたり355円と、統計が残っている1996年以降でも最高値となっています。価格が上がっているというだけでなく、そもそも量が足りないという状態で、その影響は子どもたちの給食にまで及んでいます。

広島市安佐南区の東野小学校では、11日から今年度の給食が始まりました。

カメラが入ったのは3年2組。久しぶりの給食に子どもたちは大興奮!かと思ったら…、「いただきます」の後、静かに食べる子どもたち。

「黙食」の指導期間は終わりましたが、3年生にとっては、入学以来続いてきた黙食が当たり前になっているようでした。
Q. お味はどうですか?
「おいしい」
Q.給食で好きなメニューは何ですか?
「ココアパン」「広島カレー」「シチュー。色とりどりだから」
「親子丼です。たまごが大好きです。フワフワだから大好き」

「親子丼、好きな人?」とたずねると、ほとんどの子どもたちが元気よく手を挙げてくれました。ところが、この親子丼などたまごを使ったメニューが今、ピンチを迎えています。

東野小学校 栄養教諭 上清田美穂 さん
「たまごは鳥インフルエンザで鶏卵が手に入らないというところで、使用量を減らしてくれというふうに教育委員会から通達が来ています」
実は、広島市では、今月から給食に使う、割った状態で納入される「液卵(国内産)」の量が制限されていて、センターで調理するメニューはすでに変更されています。
6月からは、殻付きの状態で納入される県内産のたまごの供給量が去年の半分に減るために、自校調理のメニューも変更せざるを得ません。
