完全に失明…襲われた自己否定

30代前半で完全に失明した福場さんを襲ったのは、「自分は社会のお荷物ではないか」という猛烈な自己否定でした。同僚の助けを借りるたびに感じる申し訳なさ。これは自殺のリスクを高める最も危険な感情だといいます。
「眼科の講演会で一緒に話そう」。転機は、大学時代の眼科医の先輩からの誘いでした。これまで目が見えない医者であることを隠していました。しかし、先輩の誘いをきっかけに、初めて公にして人前で話をしたといいます。
反響は、想像よりも大きく、「こういう役立ち方もあるのか」と思ったといいます。
それまでは、「他の医師と同じ仕事をする」ことにこだわってしまっていました。そうではなく、視覚障害と”タッグを組んで”、他の医師がやっていない仕事をする。目を患った人の心のケアは、まだ多くの人が取り組んでいない分野でした。
福場さんはこうして、新しい目的地に向かって、また歩き出すことができたのだといいます。



































