広島県海田町で71歳の男性が監禁され、その後、行方が分からなくなっている事件では、起訴された男女6人のうち、女3人の裁判がすでに始まっています。きょう(14日)は主犯格とみられる男の初公判が開かれました。

すでに始まっている女3人の裁判での、検察や女たちの証言による事件の概要はこうです。

県内に住む女5人は、海田町の男性に投資の運用による配当を得る目的で、それぞれ90万円から2000万円を預けていました。


しかし、配当が滞ったことに詐欺の可能性を疑った女らは、男性に説明を求めるため「債権回収屋」として、2人の男に協力を依頼しました。


住所不定の今泉俊太被告(31)と、現在も逃走中の伊藤圭亮容疑者です。


男性の事務所に入った7人は、男性をそこで監禁したとされます。その後、男性の行方は分かっていません。


検察は「男2人が毛布にくるみ、車でどこかへ連れて行った」という女のうちの1人の供述調書を裁判で明らかにしています。


そして、きょう(14日)迎えた今泉俊太被告の初公判…。


今泉被告は男性を監禁した罪について裁判官から間違いないか尋ねられると、「ありません」と起訴内容を認めました。


検察側は冒頭陳述で、「今泉被告は、男性から回収した金額の4割を報酬として受け取ることで依頼を引き受けた」と指摘。


「今泉被告が男性から携帯を取り上げて外部との連絡を遮断した。男性に暴力を加えながら金銭の返還を求めた」などと述べました。さらに「事務所の中で男性は目の上を腫らし、あばらの辺りを押さえて痛がっていた」と指摘しました。


一方、弁護側は今泉被告が加えた暴行について、「身体の重要な部分を狙ったものではなく、程度は軽かった」と主張しました。


今泉被告の次の裁判では、証人尋問などが予定されるということですが日程は決まっていません。

この事件では、警察は今泉被告と現在も逃走している伊藤容疑者の2人を主犯格とみていて、現在も捜査を続けています。


行方不明になっている男性が、女らに対して実際に「詐欺」をしていたかどうかについては、明らかではありません。ここまで分かっているのは、女らが詐欺を疑い、結果的に男2人に依頼をした…そして事件になったということです。いずれにせよ、事件の全容解明には、逃走中のもう1人と、被害男性の行方を明らかにすることが不可欠となっています。