大分県立高校入試ではインフルエンザなどで受験できなかった場合に実施される追試験の対象に「生理痛」が追加され、今年度から適用されます。その背景や意義を婦人科の医師に聞きました。
2月から3月にかけて実施される県立高校入試で、追試験の対象に生理痛や月経前症候群などによる体調不良が追加されました。これまではインフルエンザなど感染症にかかった場合などにのみ適用されていました。
こうした動きについて、大分府内レディースクリニックの嶺院長は「意義は大きい」と指摘します。
嶺真一郎院長「生理痛がひどくて試験を受けられない、試験を受けても十分なパフォーマンスを出すことが出来ないことが、いわゆる病気と同等に考えてもらえるようになったことを示している」
去年12月、国はこれまで教育委員会ごとに対応が分かれていた生理痛で試験を欠席した生徒を追試験の対象とするよう全国に通知しました。これを受けて県教育委員会は追試験の対象に生理痛を追加。中学校長が受験校に申請書を提出するなどすれば受験が可能になります。
大分府内レディースクリニックではこの時期、生理と受験が重なることを心配して来院する生徒が増えるといいます。

嶺真一郎院長「まずは痛み止めでどのくらい対処できそうかという話をして、どうしても難しい方は月経の日にちをずらす治療をしています」
生理による腹痛などの症状の治療では低用量ピルが保険適用となっていて、対策を講じることも可能です。
嶺真一郎医師「低用量ピルを使うと飲んでいる間は生理痛は非常に軽減できます。生理の日でない時に試験をするよう変えることは可能なので、婦人科を受診するのが良い」
生理痛には個人差がありますが、症状がひどく学校や仕事を休まざるを得ない人もいます。生理に対する社会的理解が進めば、女性の活躍を後押しすることにもつながるといえます。