大分市佐賀関の大規模火災で被災者の仮住まいとなる市営住宅の入居者が11日、決まりました。

(賎川記者)「佐賀関の漁港にも程近い市営住宅ですが、きょう、この市営住宅の入居者が決まり、あすからいよいよ入居が可能となります」

大分市は被災者の仮住まいとして、佐賀関と大在坂ノ市にある市営住宅を合わせて39戸確保しています。50件の申請があり、抽選の結果、11日、入居者が決まりました。

入居が決まったのは39戸のうち27戸で、入居者には12日、鍵が渡され、早ければ引っ越しが始まります。

市によりますと、現在の避難所は年内をめどに閉鎖される予定で、被災者は公営住宅や民間の「みなし仮設」に移り住むことになるということです。

この火事では、関アジ関サバ漁が盛んな地元の漁業に欠かせない工場も被災しました。

釣り具の製造業八潮工業の社長・木崎章二さん(77)は、50年以上この地で多くの漁師が愛用する漁具を作ってきました。

八潮工業・木崎章二さん

(八潮工業・木崎章二さん)「最初見たとき、涙が止まりませんでした。言葉も出てこないです。工場の機械が全滅していて、この先のことは真っ暗ですね」

木崎さんは100種類以上の漁具を製作し、佐賀関の水産業を支えてきました。憔悴した木崎さんに声をかけてくれたのは、地元の漁師でした。

(木崎章二さん)「漁師から『作ってくれ、作ってくれ』と言われるけど、作れないものですから。ですが皆さんの声に応えられるよう、できるだけ早く製作を再開したいと思います」

木崎さんは今後も漁具の製作を続けていきたいと話します。

(木崎章二さん)「漁協の倉庫を借りる計画をたてています。できるだけ早く漁具を作れる状態に戻したいと思います。もうやるしかありません」

自宅が全焼した木崎さんは、仮住まいでの生活が落ち着いたら仕事を再開する予定です。