大分県西部では10日夜、線状降水帯が発生。記録的な大雨となった日田市では浸水被害や土砂災害に見舞われました。

九州北部地方にある前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、大分県内は大気の状態が非常に不安定となっています。県の西部では線状降水帯が発生。日田市では観測史上最大となる1時間に117ミリの猛烈な雨を記録しました。

記録的な大雨により災害の危険度が急激に高まったとして、日田市では11日午後3時まで6つの地区に警戒レベルが最も高い「緊急安全確保」を出されていました。

(住民)「今年はあんまり雨が降らなくて避難しなくていいねって思っていたら降り出した。帰ってから家が崩れていなければいい」「早く家に帰りたいと思っているが、小康状態にならないと帰れないのでそこがちょっと心配」

県によりますと、倒木などの影響で日田市や中津市の県道8か所で全面通行止めとなり、このうち3か所で復旧作業が完了しました。

一方、住宅被害も相次ぎ、日田市内ではこれまでに12棟で床上と床下浸水が確認されています。

(日田市民)「家の中が水浸しになって、いろんなものがここに浮いている状態になった」

日田市内の住宅兼食堂は床下浸水の被害に見舞われました。過去に例のない速さで水が押し寄せてきたといいます。

(日田市民)「スピードと量がこれまでの2倍近いかなという感じがありました。あっという間に土嚢を超えて手に負えなかった」

降り始めからの雨量は、日田市で300ミリを超え、すでに8月の平年雨量を大きく上回っています。

大分県内では線状降水帯が発生するような大雨の恐れはなくなりましたが、これまでの雨で地盤が緩んでいるところもあり、引き続き土砂災害に警戒が必要です。