新型コロナの感染者が急増したことを受け、医療現場では必要なスタッフが確保できず発熱外来や救急搬送を断るケースが増えるなど影響が拡大しています。

大分市にある大分三愛メディカルセンターでは、新型コロナの感染が拡大するにつれて発熱外来の問い合わせが急増しています。

(病院スタッフ)「朝から電話が殺到して予約でいっぱいです。申し訳ないです」「当院もすでに受け付けがすでに終了していまして」

1日およそ20人の診療枠は朝8時半の受け付け開始から数分で埋まってしまい、予約の電話を断るしかない状態が続いています。

(病院スタッフ)「困って電話をかけてきているのに、お断りするのはとても心苦しいですけど、本当に受け付けも看護師も手一杯でやっていますので申し訳ないですと伝える」

また感染拡大に伴い、救急搬送の受け入れ要請の数も通常の2倍に増加。病床の数や対応するスタッフが足りず断るケースもあるなど、医療現場はいまひっ迫した状況となっています。

(社会医療法人三愛会・三島康典理事長)「発熱外来ができなくなってきている。そこに回せる看護師やスタッフがいない。業務が回らなくなっているのは間違いないと思います。入院がほぼ満床入っているのでこれ以上とれない状況」

この病院では一般病床使用率が89%、コロナ病床は対応できる20の病床のうち18が埋まっています。さらに感染や濃厚接触者となったため出勤できないスタッフが20人以上にのぼり、新型コロナの診療と一般診療を両立することはもはや限界に近いといいます。

こうした状況は大分県内の医療機関全体に広がっています。大分市の大分こども病院では濃厚接触者の発生などでスタッフが不足する事態となり、26日から当分の間平日の一般外来診療を休止しました。こうした同じ状況が起きる可能性があると三島理事長は警鐘を鳴らします。

(社会医療法人三愛会・三島康典理事長)「今1人とか2人とか出てこれなくなったら立ち行かないところまで来ているなと感じています。おそらく一番は外来を止める。外来を止めてスタッフをある程度確保しながら休息もとりながらやっていく体制をとらないとできない」

感染拡大に伴い、これまでにない事態が現実味を帯びてきていて医療現場は深刻な状況を迎えています。