「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界遺産登録から5年。
長崎県五島市奈留島で、今は途絶えてしまった潜伏キリシタンの洗礼の儀式を再現し、記録するプロジェクトが行われました。

51年ぶりに、長崎県五島市奈留島で再現された潜伏キリシタンの洗礼の儀式「お授け」です。

ラテン語の祈り・オラショを唱えながら、1歳を迎えた子どもの額に聖水をかけるおよそ50分間の儀式です。

潜伏キリシタンの調査を続ける「禁教期のキリシタン研究会」によると「お授け」が行われた記録は、1972年が最後です。

研究会では、信仰の歴史を後世に伝えようと、「お授け」を見たことがある信者の証言などを基に、8月、途絶えてしまった「お授け」を再現し、動画で撮影しました。

禁教期のキリシタン研究会 世話人・柿森 和年さん:
「信仰が繋がってきたことに、世界遺産でいう普遍的な価値はそこにあるんですね。
長崎の世界遺産はこんなに価値があるんだよっていうことを、皆に共有化していくために、調査したことを皆さんに知っていただいて、そして裾野を広げていくと」

「お授け」を再現した動画は、およそ10分間にまとめられ、11月3日から奈留島で行われるイナッショ祭りで初公開される予定です。