第169回直木賞が19日発表され、諫早市出身・垣根涼介さんの『極楽征夷大将軍』が受賞しました。3度目のノミネートでの快挙に、地元に住む親族からは喜びの声が聞かれました。

垣根 涼介さん:
「今日はたまたま“僕の日”でもあったのかな、っていう感じですかね。はい」

垣根 涼介さんは諫早市出身の57歳。

高校まで諫早で過ごし2000年に小説家デビュー。3度目のノミネートで直木賞を受賞しました。

受賞作『極楽征夷大将軍』は、『極楽殿』と呼ばれた室町幕府の初代将軍・足利尊氏を題材とした歴史小説です。

垣根 涼介さん:
「僕が一生懸命やるのは当たり前ですし、汗を流すのも当たり前なんですけど、読んでる方は“笑って読んでくれればいい”という気持ちで、今回の小説は結構書きました」

3歳で母親を亡くした垣根さん。

幼少期に、母親代わりとなり育ててくれた叔母が20日、喜びを語りました。

叔母(父親の妹)中村 綾香さん:
「涙って、溢れてくるんだなって思いましたね。言葉にならなかったですね。
(これからも)このままで自分が思うことを書いてもらえればいいのかな、と思います」


長崎市内の書店には、直木賞発表直後に受賞作品の特設コーナーが設けられました。

昨夜の段階で数冊残っていた受賞作は20日、開店して間もなく売り切れたそうです。

買い物客:
「あちゃっと思って。品切れっちゅうことは、早い人は早く買いに来るんだと思ってですね。(受賞は)県民としては嬉しいです」

買い物客(諫早市出身):
「私も諫早出身なので、嬉しかったです。ぜひ読んでみたいです」

買い物客:
「もっと “知らない部分の長崎”をえぐり出してくれれば、また面白いなと思いますけど。期待しています」

書店には、20日朝から注文が相次いでいて、次の入荷は早くて今月末になりそうだということです。

三度目の正直で直木賞に輝いた垣根 涼介さん。
地元は祝福ムードにわいています。