外務副大臣の回答(見解)

外務副大臣の国光あやのと申します。本日は貴重なご要望をいただきまして、大変ありがとうございます。
改めまして、81年目を迎えました今日、犠牲となられたすべての皆様方の御霊に心より哀悼の誠を捧げます。また、私ごとではありますが、私は大学時代を長崎大学医学部で6年間、この長崎の地で過ごさせていただきました。
永井隆博士や、また今日いらっしゃる朝長会長の後輩となります。学生時代を通じて被爆の実相を本当にさまざまな形で学ばせていただいたことが、今の私の原点にもなっております。
改めて原爆がもたらす悲劇を二度と繰り返してはならない、その思いを本日、平和祈念式典に出席をさせていただき、決意を新たにしたところでございます。

▶ 世界の指導者の長崎訪問について

いただいたご要望にお答えをさせていただきたいと存じます。まず、世界の指導者の長崎の訪問につきましてご要望をいただいております。非常に重要な点でございます。
世界に唯一の戦争被爆国として、この長崎の実相をしっかりと伝えていくことというのは、核軍縮に向けたあらゆる取り組みの原点でございます。
今、政府といたしましても、世界中の指導者や若者などの被爆地・長崎への訪問を呼びかけるなど、さまざまな取り組みを通じて被爆地の訪問を促進をしております。

とりわけ、昨年は被爆80年でございました。外務省から各国に対しまして、長崎・広島への訪問を改めて呼びかけました結果、各国の首脳や閣僚を含む多くの方に長崎・広島の地を訪問いただき、実相に触れていただきました。
重ねてのご要望がありました米国大統領の訪日につきましては、現段階で何らか決まったものということはございませんが、引き続き、被爆の実相の正確な理解を促進するために不断の努力を払ってまいりたいと存じます。

▶ 核兵器禁止条約について

続きまして、核兵器禁止条約につきましてのご要望をいただきました。核兵器禁止条約は、核兵器のない世界への出口ともなり得る非常に重要な条約でございます。
この条約の対応につきましては、国際社会の現在の極めて厳しい状況、また我が国周辺の地域情勢もしっかりと見極めながら、核軍縮の実質的な推進、それとともに日本を取り巻く安全保障の確保、この2つの進展のために何が真に効果的かという観点から慎重に検討を進めていく必要があると考えております。

まさに長崎の被爆者の皆様方のご意見に引き続きしっかり耳を傾けながら、核兵器のない世界に向けて、NPT体制、核兵器不拡散条約体制のもとで、核兵器国、そして非核兵器国がともに参加するこの枠組みのもとで、引き続き現実的かつ実践的な取り組みを進めてまいりたいと思います。

▶ 非核三原則の法制化について

また、非核三原則についての御要望もいただいております。非核三原則はこの原則を政府として政策上の方針として堅持をしております。この法制化については、内外に十分周知徹底されておりますため、改めて法制化する必要はないと考えておりますが、先ほど申し上げました政策上の方針の堅持をするということをもってしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。

▶「核共有」について

また、いわゆる「核共有」への対応のご要望もございました。このいわゆる核共有とは、一般に平素から自国の領土に米国の核兵器を置き、有事には自国の戦闘機などに核兵器を搭載をし、運用可能な体制を保持することによって、自国の防衛のために米国の核抑止を共有するといった枠組みであると承知をしております。

この核共有については、仮に今申し上げたような枠組みを指すのであれば、政府としては非核三原則や原子力基本法をはじめとする法体系との関係から認められないと考えております。

いずれにいたしましても、長崎の皆様の思いをしっかりと実相をお伝えをする、また唯一の戦争被爆国として核兵器のない世界に向けて、NPT体制をはじめとしたさまざまな枠組みで外務省としてもしっかりと引き続き取り組んでまいりたいと思います。