70年後の体内から放射線検出―論文が示した「デスボール」の報告

国はこれまで、拡散した放射性微粒子(黒い雨や死の灰)を体内に取り込むことで生じる「内部被ばく」の影響について、「無視できるほど小さい」としています。
これは原爆被爆者の追跡調査から導き出された評価ですが、この調査の対象に、原爆の雨や灰に起因した「内部被ばく」は入っていません。

これに対し、長崎大学の七條和子客員研究員らのグループが今年4月に論文を発表しました。

論文では、原爆投下の3日後に8歳で広島の爆心地に入り、その後70年間生きた女性の死後、体内から原爆由来とみられるウランの放射線が検出されたことが報告されました。さらに、その周辺で細胞が死滅した空洞「デスボール」が複数確認されたとしています。

研究グループの高辻俊宏・長崎大学名誉教授は「煙のような微粒子が肺の組織などに付着すると、極端な(線量の)被ばくをする」と説明。

七條客員研究員も「『影響は小さい』と言っているが本当でしょうか。ずっと苦しめるのです」と内部被ばくの影響について問題提起しました。

この研究成果は今年7月、国会議員や厚生労働省の職員にも説明されたほか、国会(衆議院厚生労働委員会)でも取り上げられました。


西岡秀子衆院議員の質疑に対し、上野賢一郎厚生労働大臣は「ご指摘の論文につきましては現在係争中の訴訟に関するものでありますので答弁は差し控えたい」と述べるにとどめています。











