長崎県佐世保市で10代の少女に性交やわいせつな映像送信を強いたとして、強制性交等などの罪に問われた無職の男(35)の判決公判が8日、長崎地裁佐世保支部であった。
岩田光生裁判長は、被告が主張した「解離性同一症(旧称:多重人格障害)」による責任能力の影響を否定し、完全責任能力があったと認めて懲役7年(求刑懲役8年)の実刑判決を言い渡した。
当時11歳の少女へ 繰り返された凄惨な加害
判決によると、被告は2022年8月、妻と共謀して当時11歳の少女Aさんと性交。さらに2023年8月から2024年3月にかけ、計9回にわたり、Aさんに対し自身の肛門に手指や性玩具を挿入する状況を撮影した映像を送信するよう要求し、実行させた。
「別人格の行為」 裁判長が示した責任の所在
裁判では、被告が「解離性同一症(多重人格障害)」と診断されており、犯行は別人格によるもので記憶がないと主張したことから、責任能力の有無が争点となった。

岩田裁判長は判決で「責任を負う主体は個人であり、別パーソナリティ状態の行為だからといって直ちに責任能力がないとはならない」と指摘。
被告が相手によって宗教的信念の話をするか否かを選んでいたことから、「使い分けをしていたと推測でき、症状が判断や行動制御能力に大きな影響を与えたとはいえない」として、完全責任能力を認定した。
「霊能力」で精神的支配 卑劣な犯行態様

量刑について裁判所は、被告が「霊能力がある」と信じ込ませて被害者家族を支配していた背景に触れ、「少女の状況に付け込んだ態様は執拗かつ卑劣極まりない」と断じた。








