77年前、長崎に落とされた原爆の放射線の影響を、広く島原半島まで調べている調査の初めての報告会が行われました。

調査を行っているのは被爆体験者らで作る「長崎被爆地域拡大協議会」です。

77年前、アメリカのマンハッタン調査団が行った残留放射線調査をもとに、今年度から島原半島で聞き取り調査を行っています。

これまでに10人から被爆当時の証言を得ており、爆心地から37キロ離れた北有馬町にいた男性からは「白と黒のすすが混じった燃えかすが空からどんどん降ってきた。それを一時間以上かぶった」などとする証言が得られたという事です。

被爆地域拡大協議会・研究部の大矢正人総科大名誉教授は「一人一人の声を探していくことで本当の長崎原爆の被害の実相が明らかになってくると思う。今は『点』でしか確認できていない証言を『線』や『面』につなげられれば」としています。

県と長崎市は爆心地から12キロ圏内にいた「被爆体験者」の救済を国に求めていますが、会では「影響はより広範囲に及んでいる」として実態解明を進める考えです。