長崎市の鈴木市長は27日の定例会見の中で、稲佐山ロープウェイの延伸について「短期的に課題の克服は難しい」という現状認識を示しました。
稲佐山ロープウェイの延伸は、長崎スタジアムシティの事業者から提案を受け、長崎市が可能性を検討してきました。

鈴木市長は、27日の会見でこれまでの調査結果などを説明。延伸して、山麓の駅舎を長崎スタジアムシティ内にした場合、ロープを支える中腹の鉄塔を現在の25メートルから、最大105メートルにする必要があることを示し、景観上の問題が生ずるとの認識を示しました。

鈴木史朗長崎市長:
「稲佐山の山頂とほぼ同じぐらいの高さに見えるというような、そういう景観上の問題も生ずる」

また、事業費も2020年度の試算でおよそ70億円と高額であることなどから、「こうした課題を短期的に克服するのは難しい」との見解を示しますた。その一方で、延伸実現の可能性についても言及しました。

鈴木史朗長崎市長:
「延伸についてですね、将来的にも中長期的にも可能性がないということは、まだそういう判断はしておりません」
長崎市は、老朽化が進む鉄塔の建て替えを見据えながら、延伸についても検討を続けていく方針です。