「マジ気持ち悪い」
検察官は裁判の中で、男子高校生が当時、商業施設で友達と待ち合わせをしていたこと、被告の男とは男子トイレ内で初めて会ったことを明らかにした。

犯行の状況については、小便器で用を足していたところ、突然被告に陰茎をつかまれパニックになった、無理やりトイレの個室に引き込まれ恐怖を感じた、頭を押しのけて抵抗したものの口腔性交された、など、男子高校生の供述をもとに主張。
男子高校生はその後、待ち合わせをしていた友人に「トイレに変な外国人がいた」などと被害にあったことを打ち明けており、「まだいるかもしれない」と一緒にトイレに戻っている。友人はそこで男子高校生が「マジ気持ち悪い」と言って股間を洗っていた、と証言した。

「サワッテ、ダイジョブ?」
一方、被告と弁護人は、被告が男子高校生の股間に手を近づけ「サワッテ、ダイジョブ?」とたずね男子高校生はうなずいたと主張。さらに被告がトイレの方を指さし「ダイジョブ?」と聞いて2人で入った、など、合計4回、同意しているかを確かめ「承諾を得た」とし、暴行の事実もないと主張した。
また弁護人は、「トイレの個室に男性が2人入ることはふつうあり得ない」とし、「性的関係に同意したと考えるのは自然」「合理的疑いが残る以上、有罪とは出来ない」として無罪を主張した。
検察官の求刑は5年の実刑。被害者の「性的自由」を著しく侵害し、精神的被害も重大、再犯の恐れも大きく徹底した矯正教育が必要とした。