被爆者援護や被爆体験者の救済に向けて長崎市が設置した研究会が、低線量被ばくの人体への影響の可能性について「確固たる知見は得られなかった」と結論付けた報告書を16日、国に提出しました。

10年半にわたる検討の結果が国に手渡されました。この研究会は被爆地域の拡大などを目的に長崎市が11年前に設置したもので、原爆放射線の人体への影響について専門家らが検討を重ねてきました。

報告書では、低線量被ばくの人体影響を示す論文が複数出てきているとしつつも、その可能性について「確固たる知見は得られなかった」と結論。

これに対し、国が定めた被爆地域の外で原爆にあった被爆体験者からは「逆に、救済しない根拠にされるのでは」と懸念の声があがっていました。

長崎市原子爆弾放射線影響研究会 朝長万左男 会長

「その心配はよくわかります。しかし、そこがやっぱり解決していかなくてはならない道筋なので。厚労省の方で独自にですね、そういう(低線量被ばくの人体への影響を示す)新しいデータをですね、研究グループなり調査グループをつくられてですね、結論を出して頂きたいとお願いをしました」

厚労省側は、「被爆者援護行政への思いは同じなのでしっかり受け止め、引き続き長崎県・市と対話を続けたい」と述べたということです。