能登半島地震でホテルや旅館などの2次避難所に身を寄せている被災者は、今後どこでどのように過ごすのか、選択が迫られることになりそうです。被災者を対象にした県の説明会が7日から始まりました。
石川県内では、今も1万2000人あまりが避難生活を続けていて、このうち約5200人が被災地から離れた2次避難所にいます。
300人が滞在する加賀市の旅館では1回目の説明会が開かれ210人が参加しました。
2次避難所の被災者に示される選択肢は4つです。
▼最大2年間、応急仮設住宅に住む
▼最大2年間、外のアパートなどみなし仮設住宅に住む
▼最大1年間、公営住宅に住む
▼水道が復旧後に自宅を修理して住む。
自宅を修理して住む場合は、それまでの期間2次避難所の利用が可能ですが、場合によっては県外の旅館などに移る必要があります。
石川県では、2次避難所のホテルや旅館の滞在期間を来月末ごろまでとしていて、被災者は早急な決断を強いられています。
珠洲市から避難した女性「1回、仮設住宅入って直していただいたら自分の家に戻りたい」
珠洲市から避難した女性「私は元の家が気に入っているので、それを修理して雨漏りしないようにした程度で住めればいい」
輪島市から避難した男性「3月までに輪島に帰りたいけど、それまでに帰れるか…」輪島市から避難した小学生「地震が起きる前のいつも通りの生活ができるところに行きたい」
2次避難したその先の生活にそれぞれ選択肢はあるものの、「生まれ育った地元に帰りたい」という思いは同じです。
石川県復興生活再建支援チーム 広域避難者支援グループ・谷野明勝グループ長は「こちらのホテルに関しては入居期限が3月上旬までになっているのでそれまでに新たな仮の住まいがイメージできるように被災者に理解いただきながら、やっていただくということで、県としては必ず能登に戻れるようにしっかり応援していきたいと思っている」とコメントしました。
県は説明会の出席者に今後の選択肢についてアンケートによる移行調査を行い、被災者の希望に添えるよう最大限努めたいとしています。
会場となったみやびの宿加賀百万石では、震災後、3月までの新規予約を中止しましたが、北陸新幹線延伸の来月16日以降は、震災前からの予約分ですでに3割から4割ほど埋まっているということです。
一時的な滞在場所との認識は被災者も旅館側もあるのでしょうが、安心して過ごせる場所の確保は引き続き大きな課題です。