能登半島地震から1か月余りがたち、被災地では今、ペットへの支援も加速しています。一方で、珠洲市内では飼い主から離れさまよう動物の姿も目撃されています。

被災地で進むペットの支援「不安解消になれば」

被災地で進められているのは、石川県獣医師会による無料診療や一時預かりなどのペットの支援。飼い主の顔にも笑顔が広がります。

診察に訪れた人
「すごく助かりますね、家族と一緒なので」
獣医師
「ペットの不安は被災した人の不安でもあるので、こういった取り組みで少しでも不安を和らげられれば」


一方で、被災地では飼い主とはぐれたままのペットを見かけます。

被災地放浪するペット 「ご飯ももらえていない状況」

「あの子は高齢のお母さんが1人で世話をしていた子ではないかな。(お母さんが)県外のほうに避難してしまったということで、ごはんも全然もらえていない状況でおそらく過ごしているはず」

珠洲市で避難生活を送る竹内かおりさん。竹内さんは地震が起きたとき、一時離ればなれになった自分のネコを保護する中で、被災地に残された他のネコの保護活動も始めました。

竹内かおりさん
「人もいなくなって、家はもうほとんど倒壊して潰れてしまっている状況で、果たしてその子が帰る家があるのか、食べていけるのかも全くわからない中、その子を離すというのはその子が死に向かうだけだと思ったので」

竹内かおりさん

県獣医師会などと連携し、見つかったペットを県内の動物病院で保護したあと、飼い主との引き合わせや新しい里親探しを行う竹内さん。

ただ、珠洲市内だけでもまだ多くのイヌやネコがさまよっているのを見かけるといいます。


この原因の1つとして考えられるのが、ペットと一緒に避難所などで生活する「同伴避難」ができなかったことです。

竹内さん
「私も避難所にいるときに一晩だけでもいいから屋内に入れられないかと聞いてみたが、みなさん被災されて、アレルギーをもっていたり、色々な方がいるということで、気持ちはわかるが現実難しいという返事だった」


こうした声は他の被災者からも聞かれます。

被災した人
「避難所に行ったら、リスのかごが廊下にポンと出されていて、そこにいたおじいちゃんおばあちゃんが「なんでこんなのがいるんだ」と言っていた。それを聞いてこれは無理だと思った」