地震発生から4週間近くが経ち、避難所などでは炊き出しボランティアの温かい食事や、国などから食料品が提供されています。

しかし、学校現場ではこれまでの給食とはまだほど遠い食事の提供が続いていて、状況改善の見通しがたっていない実情があります。

22日から学校が再開した能登町の宇出津小学校。

断水が続いていることから、午前8時15分から午後1時までと、時間を短縮しての授業が行われています。

お昼前、教員たちが準備するのは「給食」ではなく「昼食」です。

児童たち
「カレーだ!やったー!」
先生
「こぼさないように少しずつでも良いからね」

この日の昼食は、パックご飯とレトルトカレー、それに地元企業から寄付されたポン菓子にジュースと水です。

女子児童
「おいしい」

地震発生後、初めてカレーを食べるという児童もいて、喜ぶ声もある一方…

児童たち
「足りない。大盛にしたい」
「具材が柔らかすぎて喉に味わいが伝わらない。いつもの給食に戻りたい。この学校から抜け出したい」

被災地での食事の提供をめぐる課題は、学校給食に限ったことではありません。

22日から能登町の避難所などで炊き出しを行うボランティアは、対応の遅れを感じていると話します。

炊き出しをするボランティア団体
「いろいろな団体がいて、それを本来ならば調整する役割の方がいるが、それも今のところ完璧に機能していない。行く先々も、アルファ米しか食べていない。菓子パンだけおにぎり1個だけだったと。こういう温かい食べ物は久しぶりだと、いまだに声を聞く」

復旧に向けての支援が進んではいるものの、被災者の食事ひとつをとっても地域によっては改善がなかなか進まない現状が浮き彫りになっています。

宇出津小学校は避難所にもなっていて、週3日炊き出しボランティアによる食事が提供されていますが、それ以外のパックご飯やパンの日は小学1年生の小さな子どもでも量が足りていないという声もあります。

一方で、避難している人たちは気兼ねして要望を言わないこともあるということです。

手作りの食事の回数が増えるなど、時間の経過とともに支援は充実していくことが望ましいとされていますが、それが追いついていない。

まだ支援が不十分と言わざるを得ない現状があります。