この春に行われる統一地方選挙の第一弾、県議会議員選挙の注目区をシリーズでお伝えする「石川県議選2023」
■羽咋市羽咋郡南部選挙区の情勢
定数削減により現職2人の激戦が予想される羽咋市羽咋郡南部です。他の選挙区と比べて有権者が少ないにも関わらず議員定数が多い「逆転現象」などを理由に、定数は2から1になりました。
これまでに出馬を表明しているのは、
自民党の現職・稲村建男氏、非自民系の現職・本吉淨与氏です。
過去3回にわたり議席を分け合ってきた2人による、定数1を懸けた熾烈な争いはすでに始まっています。
稲村建男氏
「全身全霊を打ち込んでしっかりとやっていく覚悟でございます」
本吉淨与氏
「私が戦い抜いて勝たなければ、この地域の良識が守られない。そういう思いで私は立ち上がります」
故・稲村左近四郎元衆議院議員から息子の稲村建男氏へと続く「稲村派」。そして、かつて県議会議長を務めた故・本吉与三吉氏から、孫の本吉浄与氏へと流れる「本吉派」。「政争のまち」とも言われる羽咋で対立する2つの政治勢力は、首長の座を決める場でもしのぎを削ってきました。
■4期目の当選を目指す現職の本吉淨与氏(43)
本吉氏
「皆さんの小さな声でも大きなうねりになるように「声を形にする」という想いを掲げまして、声を形にするという旗を掲げさせて頂いております」
羽咋市内で新年の互礼会を開いたのは、4期目の当選を目指す現職の本吉淨与氏(43)キッズスペースを設けた会場で4人の子を持つ父であることに触れつつ、子育て支援への訴えに説得力を持たせます。立憲民主党の近藤和也衆院議員や連合石川の福田佳央会長らが応援に駆け付け、中でも力強い激励の言葉を送ったのは、過去3回の羽咋市長選で稲村系候補との一騎討ちを制した山辺芳宣氏。
山辺芳宣・前羽咋市長
「今年は勝つか負けるか!勝負の年どうか若い!若い若い!本吉県議にこれからの将来を私は託したい」
本吉氏
「組織力に関しては相手の方が上だと思っておりますし、私としては出来る事は全部やり死にもの狂いで頑張りたい」
■一方、自民党の稲村建男氏(79)の新年互例会では…
「稲村氏国と県と地域をしっかりと結び、石川県に関わるあらゆる問題に対処していこう」
10期40年のキャリアを武器に、千里浜の再生や妙成寺の国宝指定など地域振興への取り組みを加速させたいと訴えます。3年ぶりに開催された稲村氏の新年互礼会、そこで主役級の存在感を放っていたのは…。
「初春や稲村建男の大決戦」
石川県の馳浩知事です。それもそのはず、稲村氏は去年の知事選で自民、非自民を含めた能登の県議で唯一、馳知事を支持。その恩返しと言わんばかりに、今度は馳知事が稲村氏への支援を呼びかけました。地元選出の国会議員も揃って駆けつけるなど、自民の絆をアピール。
馳知事
「俺と稲村氏との2連ポスターは?貼ってくれる?」
稲村氏
「知事だからと思って遠慮したんです。ただ考えてみたら能登で応援した議員は私だけですから。私が2連ポスターを作っても誰も文句言わないだろうと思いますよ」
■座れる椅子はただ一つ。早くも大激戦の様相も…
本吉氏
「予想されていた事なので、『粛々と』支持を訴えるだけだと思います」
稲村氏
「『粛々と』打ち勝つということで」
現職同士、生き残りをかけた争いの行方はいかに?