中能登町の鹿島郡選挙区、人口1万7000人あまり。この静かな町を舞台に4年前、大接戦が繰り広げられました。

自民党の現職・山田省悟氏との与野党対決を制し、国民民主党・新人の岡野定隆志氏が初当選。結果は26票差。保守王国・能登に風穴をあけての議席獲得に…。
初当選した岡野定隆志氏(当時)
「未来への責任を果たしていくべく10年20年30年の視点で走り続けていく」

あれから、3年9か月。
Q 朝の辻立ちの頻度は?
現職・岡野定隆志氏「いえ、基本的に平日はやっています」

2期目を目指す岡野定氏(52)は、この日も朝から街頭に立ちます。新人を迎え撃つ立場になったものの、挑戦者の姿勢を崩しません。
岡野定隆志氏
「中能登町1万7000人の全てから聞きたい。その思いを県政に照らし合わせて良くしていきたい」

近藤和也衆院議員
「相手の方が組織が圧倒的だから、組織対個人という選挙戦になると思う」
揃いの赤いネクタイで傍らに立つのは実の弟・近藤和也衆議院議員。中能登町出身の国会議員は、大きな後ろ盾です。
22日の事務所開きでは、集まった支援者を前に「わずか26票差での逆転勝利。4年前の選挙の感動と政治の時計の針を過去に戻さない、その心意気で一緒に戦ってもらえたらと思います」と挨拶しました。

一方、前回の雪辱を誓う自民党中能登支部。
中能登町・宮下為幸町長(自民党中能登支部長)
「不戦敗だけはしたくないという思い。一番の適任者ではないかと」

白羽の矢を立てたのは中能登町の町議・土本稔氏(46)です。
新人・土本稔氏
「知名度をはじめ全てにおいて足元にも及ばない状況。しかしながら逃げずに諦めることなく“引き出そう中能登の底力”の合言葉を胸に精いっぱい訴えていきたい」

3期12年、町議として培った経験と、町民との距離の近さが自身の強みだという土本氏。4年前、26票差での敗戦を目の当たりにした宮下為幸中能登町長も、県政とのパイプが必要だと訴えます。

中能登町・宮下為幸町長
「(今のままでは)色んな面でほとんど入ってこない、県政に関して。誰かが自民党なり無所属から出て県政とのパイプをつないでいかないと。26票差でもいい、勝ちたい」

組織力を生かした戦いで、議席奪還を狙う自民党。“26票差の悪夢”を払拭できるのでしょうか。