漆が「乾く」ということ 温度や湿度が大きく影響
工芸と天気展には、人間国宝を含め石川県ゆかりの作家36人の工芸作品およそ60点が展示されています。
テーマのひとつが、工芸の技法と天気のかかわりにフォーカスした「天気と生きる、天気とつくる」です。このことを体現している作家の一人が、金沢で生まれ「漆聖(しっせい)」と称された松田権六(1896-1986)です。
《蒔絵鷺文飾箱》などの作品を世に残していますが、松田は漆の乾く概念を深く心にとどめていました。
ただものが乾くだけなら、冬場なら常に晴れている太平洋側のほうに分があります。ところが、漆の場合の「乾く」は、空気中の温度や湿度に反応して固まることをさします。
国立工芸館・特定研究員 日南日和さん「絵の具が乾くというと、水分が蒸発して乾くことを意味すると思うが、漆における乾くというのは空気中の温度や湿度と漆が反応することで固まることを指します。1年中、石川県は湿度が高いと思うが、そういった天気が漆が固まることにとても適していると言えます」
下地から「乾き」に対して細心の注意を払いながら作品を手掛けますが、石川県の気温や湿度だと、より高い芸術性が生み出されるとともに、丈夫さも発揮されるということです。











