残された車とキー 23歳で断ち切られた日常

登壇者は、地村保志さん。1978年7月7日、福井県小浜市で婚約者の浜本富貴惠さん(現在の妻)とともに拉致され、24年間の北朝鮮での生活を強いられた後、2002年に帰国した拉致被害者だ。

当時23歳だった地村さんは、デートに出かけたまま行方が分からなくなった。発見されたのは、海岸付近の展望台に残された軽貨物自動車。キーは付いたままだった。

地村保志さん

地村保志さん「私は、23歳のときに拉致をされたんですね」

地村さんは講演の冒頭、静かにそう語り始めた。