度重なる災害は農業にも甚大な被害を及ぼしています。奥能登の水田は土砂や流木が堆積するなど大きな被害が出ました。奥能登2市2町のコメの作付け面積は地震前の2023年は2692ヘクタールでしたが、地震後の去年は1784ヘクタール。そして、豪雨後の今年は1800ヘクタールで、地震前と比べて3分の1の田んぼで作付けができていない計算です。
こうした中、復興のシンボル輪島市の「白米千枚田」を20年近く守ってきた地元の有志は度重なる苦難を乗り越え再び前を向いています。
日本海に沿って1000枚以上の水田が広がる石川県輪島市の景勝地「白米千枚田」。9月15日、ボランティアや地元住民による今年初めての稲刈りが行われました。
「がんばれがんばれ」「楽しかったです!(どんな稲が獲れた?)長い稲!」(参加した子ども)「なかなか手刈りすることって今少ないので、貴重な体験をさせていただいている」
白米千枚田愛耕会 白尾友一 会長
「やっぱりうれしい。やっとここまで来たという感じ」
稲刈り直後の豪雨…二重被災に「がっくりきた」

大きく崩れた畦。2024年9月、稲刈りを終えた直後の白米千枚田に茶色く濁った土砂が流れ込み、美しい棚田の景色が一変しました。
白米千枚田愛耕会 出口彌祐さん
「どこかこの辺にあったんです。…どれかな?ひょっとしたらこの辺にあったのかも…(棚田は)形変わりました。ここに小さい田んぼがあった」
地元の有志でつくる白米千枚田愛耕会の出口彌祐さん。地震で妻と長男を亡くした後も棚田の復旧作業に携わってきました。

白米千枚田愛耕会 出口彌祐さん
「豪雨の時はがっくりきましたよ、本当に。こんなの直せるんかいなという感じ」
2024年の豪雨では上流の川の流れが変わり、田んぼに水が来なくなりました。メンバーは豪雨直後からボランティアの協力のもと、畦の復旧や水を張るための土のうの積み上げを行い、一時的に水源を確保。2025年は前の年の2倍以上、全体の4分の1にあたる250枚の田んぼで田植えができました。
白米千枚田愛耕会 白尾友一 会長
「震災のあと修復した田んぼが9月の豪雨災害で壊れてしまい…そこからまたみんなとスタートした」