北陸新幹線の敦賀から新大阪までのルート問題をめぐり、石川県の馳浩知事は12日、政府・与党が合意した小浜・京都ルートで問題解決が図れない場合は「米原ルートを含めて検討を行うべき」だと発言しました。馳知事はこれまで具体的なルートの名指しは避けてきましたが、米原ルートを求める石川県内の政財界に押された形です。

12日に開かれた石川県議会予算委員会で、自民党の福村章県議は、北陸新幹線の敦賀より西について、政府・与党が合意した小浜・京都ルートは京都府内での反対が強く、100%無理だとして「米原ルート」への再考を馳知事に迫りました。
これに対し馳知事は、政府が3年連続で着工を見送ったことは大変遺憾だとしたうえで、これ以上、ルート問題を先送りしてはならないと述べました。
馳知事
「解決のめどが立たないと判断された場合は、米原ルートを含めた検討を行い、何よりも1日も早い全線整備を目指すべき」

馳知事は敦賀以西のルートについて、これまで「乗り換えなしで新大阪まで行けるルート」と述べるにとどまっていましたが、今回、初めて「米原ルート」を名指ししました。
福村県議は、県のトップの発言は、今後のルート問題に大きな影響をもたらすと話します。
福村章県議
「県民の代表ですから知事は。知事も先頭に立ってやりますよと言えれば、運動に迫力が出る」
「京都の地元の了解を得ないとあとの論議ができない。その京都がダメだから(着工5条件を)検討する必要もない。北陸新幹線はこのまま敦賀で止めるのか、米原ルートで進めるのか、二者択一になってきた」
馳知事は答弁で、災害時のバックアップ機能として敦賀から小浜、舞鶴を通って山陰に向けた高速交通体系の重要性も示し、小浜ルートを主張する福井県にも配慮した形です。