これから紅葉のベストシーズンを迎える「白山白川郷ホワイトロード」に、新たな観光スポットが誕生しました。
石川県白山市と岐阜県白川村をつなぐ全長33キロの白山白川郷ホワイトロード。石川県側は8月の豪雨で道路が崩落し、一部の区間で通行止めが続いているため、現在は岐阜県側の料金所からの折り返し通行となっています。

ホワイトロードの最高地点、標高1450メートルの三方岩岳駐車場周辺では、10月に入り徐々に木々が色づき始めています。
白山林道石川管理事務所の平田昭生所長は「今週末から来週中ごろに見頃になりそう。ここ数日は非常に気温が低い日が続いているので、色づきは一気に進んでいくだろう」と予想します。

駐車場近くの遊歩道では、真っ赤な実を付けたナナカマドや、えんじに染まったヤマウルシを一目見ようと、12日も多くの観光客が散策していました。平田さんによりますと、沿道の紅葉は9月までの残暑の影響もあってか例年より1週間ほど遅れていますが、色づきは例年以上に美しいということです。

12日の周辺の気温は8度前後で、ひんやりとしていましたが、この寒さで紅葉の色づきも進みそうです。
名所が少なかった岐阜側に新たな「展望台」登場
岐阜県側の標高1200メートルの地点には10月、新たに「白川郷展望台」が誕生しました。眼下に広がる合掌造りの集落や、天気のいい日は立山連峰や北アルプスまで望むことができます。
静岡県から訪れた観光客は「下も山もよく見える。好きでよく来るが、いつ来てもいい」と景色に満足そうでした。
展望台にはハーネスをつけて乗る大型のブランコも用意され、童心に帰って景色を楽しむ人も。

そして展望台の最大の魅力は、雲海。12日はあいにくの曇り空で見ることができませんでしたが、平田所長は「天気がよくて温度差の大きい日は、一面に雲海がかかる。眼下が全部雲海になると最高にラッキー」と話していました。
石川県側は通行止め長期化 本格復旧のめど立たず

ホワイトロードは8月の豪雨の影響で、石川県側の白山一里野温泉近くで通行止めになっていて、今シーズンは岐阜県側からしか入ることができません。平田所長によりますと、道路が崩落した現場では復旧作業が続いていて、雪が降る前に関係車両が通行するための仮復旧を終えたいということですが、一般車両が通行できる「本格復旧」はめどが立っていません。

しかし、三方岩岳まで金沢市から東海北陸自動車道を利用した場合、所要時間は1時間40分で、石川県側から通行する場合とほとんど変わりません。平田所長は「不便をかけるかもしれないが、ぜひ今シーズンも多くの方に訪れてほしい」と呼びかけています。