元日の能登半島地震でホテルや旅館が大きな被害を受けた石川県七尾市の和倉温泉では、いまだに多くの宿泊施設で営業再開のめどがたっていません。そんななか、早期の再建へ向け「自費解体」を選択する動きが出ています。
和倉温泉で最も長い創業220年の歴史を持つ老舗旅館・美湾荘(びわんそう)。

元日の地震で建物を支える杭が破損し、建物が傾くなど施設の維持が難しい状態となっていて、一般客を受け入れられない状況が続いてきました。

美湾荘・多田直未社長「やはり一刻も早く和倉温泉の旅館が立ち上がっていかなくてはいけないという思いと、雇用している社員が長い間休業しなくてはいけないという状況がとても嫌でしたので、本当に早く再開したいという思い」
元日以降悩み続けた旅館が再建のために決断したのは、いったん費用を立て替えて後で自治体から払い戻しを受ける「自費解体」です。
被害が大きかった28の部屋が入る海側の高層の建物で、およそ4億円の費用をかけて18日から解体工事が始まりました。