石川県輪島市では、輪島塗とは一線を画し下地を一切使わず漆だけを塗り重ねる「芯漆(しんしつ)」と呼ばれる技法で仕上げる漆器があります。

手間も暇もかけた唯一無二の作品を作る輪島市の兄弟は、能登半島地震で作品作りをあきらめかけましたが、世界に発信するチャンスを得たこともあり、再び芯漆に取り組む意欲を見せています。
山崖宗陽さん「(漆の被害は)かなり受けましたね。3割、うん百万円じゃないですか?」
輪島市鳳至町で17代続く老舗塗師屋「山崖松花堂(やまぎししょうかどう)」の山崖宗陽(やまぎしそうよう)さんと、弟の松堂(しょうどう)さん。

地震で工房は傾き、作品や道具は散乱、建物の修復は不可能と判断されました。

兄・山崖宗陽さん「(作業場は)全く使えないですね。品物と道具と救助するのが手一杯で、悲しいけど見捨てなければいけない品物もあると思います」
弟・山崖松堂さん「もう悲しいですね。僕からすると情が移るというか、我が子がけがをするというか、すごく悲しいです」











