大阪高等検察庁の新たな検事長に就任した伊藤栄二検事長(59)が21日、就任会見を行い、検察をめぐる現状について「国民の厳しい目を真摯に受け止める」などと話しました。
■現場を支える環境づくりと倫理観の徹底
伊藤検事長はこれまで、法務省の官房長や東京高検次席検事、最高検総務部長などを歴任しています。
不祥事が相次いでいる検察の現状について、伊藤新検事長は就任会見で「国民の厳しい目を真摯に受け止め、高い倫理観を持って適正・公正に活動していく」と強調しました。
同時に、「現場で懸命に取り組む職員が下を向かず、前を向いて仕事ができる環境づくりをしっかり支えたい」と述べ、働きやすい職場づくりを通じて、日々の業務を積み重ね、国民の信頼回復につなげたいとの考えを示しました。
一方、大阪地検特捜部に所属していた検事が恫喝的・侮辱的な取り調べをしたとして、刑事裁判で問われている件については「国民にどう見えるか意識しないといけない。真実の供述を得るために、適正かつ効果的な取り調べをやっていこうと、いろいろな勉強会や研究をしている」と語りました。
■ハラスメントには「隠ぺいせず厳正に対処」
大阪地検のトップだった元検事正の北川健太郎被告から性的暴行を受けたと訴える女性検事が調査のための「第三者委員会」の設置を求めていることについては「法務省と最高検への要望と聞いていて、私から答える立場ではない」と説明しました。そのうえで、「事件の公判が継続中のため、司法権の独立の観点から極めて慎重な対応が必要」と述べるにとどめました。
また、元検事正の公判に現職の副検事が北川被告側の証人として出廷する予定とされていることについて「公判継続中の個別事件に関するお尋ねであり、コメントは差し控えたい」と明言を避けました。
一方で、官房人事課長などを歴任した自身の経験を踏まえ、「検察ではハラスメント情報を把握した場合、決して隠ぺいすることなく、被害者のプライバシーと意思を尊重して適切に調査し、加害職員を厳正に処分している」と組織の姿勢を強調しました。
■座右の銘「愚直」
また、自身が経験を積んできた児童虐待事件(乳幼児揺さぶられ症候群など)で無罪判決が相次いでいる現状については、「医学的な所見だけでなく、周辺情報も含めた事実認定が必要。被害を訴えられない幼児の声を拾い上げ、しっかりと立証できるよう対応していきたい」と意欲を見せました。
管轄する大阪・近畿地方については「難渋する事件が多く忙しい一方で、歴史や文化、食に恵まれ人情にも厚い」と印象を語り、新天地での仕事や暮らしへの期待をのぞかせました。
自身の座右の銘として挙げた言葉は「愚直」。「今の時代には合わないかもしれませんが、無駄を恐れずに自分がなすべきこと、やるべきことをきちんと誠実にやる」と、新トップとしての決意をにじませました。











