国内最大級のスカウトグループの拠点を捜索した際、捜査対象の男性に暴行を加えた罪に問われた大阪府警の元警察官に対し大阪地裁は29日、執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。
判決によりますと、大阪府警捜査四課に所属していた人見寛大被告(36)は去年7月、国内最大級のスカウトグループ「ナチュラル」の拠点とみられる大阪市西区のビルの一室を捜索した際、捜査の対象だった男性(20代)の顔面を携帯電話で数回殴りました。
これまでの裁判で人見被告は「携帯電話のロック解除を試みるために有形力の行使は行った。その中で多数回殴打はしたが、暴行の意思はなかった」と起訴内容を否認。
被告人質問では「スマホの生体認証を解除しようとした際、男性が額をぶつけようとしたので、押し返した」などと述べていました。
一方、証人として出廷した、当時現場にいた警察官らは「手のスナップをきかせ、スマホで男性を殴打していた」などと証言していました。
検察側は論告で、「捜査に非協力的な相手には多少の暴行を加えても構わないという身勝手な動機で、著しく不適切で正当化できる余地はない」などとして拘禁刑1年を求刑。
一方、弁護側は「警察官として事前にどの程度の有形力の行使が許されるのかを指導されていなかった」として、執行猶予付きの判決を求めていました。
29日の判決で大阪地裁の荒木未佳裁判長は人見被告の暴行について、同僚の警察官らの供述の信用性は高いと評価し、カメラの映像などからも携帯電話で男性の顔面を殴った事実を認定しました。
一方で、行き過ぎた捜査が行なわれた背景については、「不慣れな警察官が多かったことや、多数の警察官を動員した捜索において、行き過ぎた行為に対する歯止めが利きづらい雰囲気があった」と指摘。「内部的な指導が行われていれば、そのような雰囲気の軽減につながった可能性はある」と組織の問題点にも言及しました。
しかし、「長時間にわたり断続的に、一方的な暴行を加えた。強制捜査として許される有形力行使の前提を欠くことは明らか」「捜査に名を借りた暴力ともいうべき行為が許容されないことは、警察官の捜査の基本で、動機や経緯に酌むべき点はない」と厳しく指摘したうえで、「反省の弁を述べている」として、人見被告に拘禁刑1年、執行猶予3年の判決を言い渡しました。
この事件で起訴された大阪府警捜査四課の警察官6人に対してはこれですべて判決が言い渡され、全員が有罪でした。











