「たばこ税」年間300億円の歳入も…

 これほどの巨額な費用を投じてまで自治体が喫煙所を整備する理由の一つに、「たばこ税」という貴重な自主財源の存在があります。

 今年度の見込みをみると、姫路市では約39億円(予算)、より規模の大きい大阪市では年間約300億円もの歳入がたばこ税によってもたらされる見通しです。

 これらは喫煙所の整備だけに使途が限定されているわけではなく、地域の様々な公共サービスに広く使える一般的な財源となっています。タバコの販売数自体は年々減少傾向にあるものの、税率自体が引き上げられてきたため、自治体の税収としてはここ数年ほぼ横ばいを維持しています。

 神戸学院大学・中野雅至教授は「自治体や国としては、医療費削減などを考えれば、喫煙者を減らしたい部分もあるが、一方で喫煙者は権利もあるし巨額の財源という面もある。その“バランス”をとり続けている」と話します。

 健康増進や医療費抑制のために喫煙率を下げたいという本音と、貴重な財源を手放したくないという本音の間で、国も自治体も常に複雑な舵取りを迫られているのが実情です。

 「吸う人」と「吸わない人」の双方が不快な思いをせず、安全に共存できる街づくりに向けて――。姫路市の「過料2万円」という一石が社会にどのような変化をもたらすのか、今後の効果と運用の推移に注目が集まっています。

(2026年7月2日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『記者プレゼン』より)