カニの甲羅などに付着した汚れやボウフラなどを食べているそうです。

(上野准教授)「口は普段小さいが、その口より何倍も大きいボウフラがお腹の中を見ると丸々入っているので、丸呑みしている」「時々立ち上がって触手を動かしているときがあるが、それでたぶんとらえている」

その独特な動きがこちら。立ち上がって体を揺らす姿は、まるで踊っているようです。

「ふしぎなおどり」を踊る 某人気RPGの手の形した泥のモンスターのようにも…


(上野准教授)「動きが可愛らしい。非常に単純なデザインなのに、複雑な動きができるのがチャームポイント」

つぶらな瞳もチャームポイント エビは嫌いでカニが好き?


チャームポイントは、ほかにも。

(上野准教授)「胃袋の前に黒い点があるが、それが目。つぶらな瞳で可愛い。たこさんウインナーですよね、どうみても」

黒い2つの点が目 上野准教授もお気に入りのチャームポイント


そして、川には手長エビも生息していますが、なぜかエビには興味がなく、カニにしかくっつかないそうです。

同じ水槽に入れてもカニには付着するもエビには近づかない


(上野准教授)「(水槽に)カニを入れると、カニにはすごい勢いで寄っていく。でもエビをいれても全く見向きもしない。カニを食べているわけではないので、エビの上でも生きていけるとは思うが、カニが大好きみたいですね」

ベテラン漁師「存在には気付いていたが…」


注目を集める「ヤマタロウヤドリツノムシ」。長年、山太郎ガニ漁をしている有村憲三郎さんも、存在に気付いてはいたものの、気に留めてこなかったといいます。


(山太郎ガニ漁師 有村憲三郎さん)「報道でたこウインナーの形を見て、俺が獲っていた山太郎ガニについているのと一緒だと思ってびっくりした」「みんなにもこういうものだと言えるし、大発見で良いことだと思う」

山太郎ガニ漁歴およそ15年の有村さん 存在自体は気付いていたが気に留めていなかったという


水質のきれいなカニにしか付着しないとみられ、水の環境などを評価する指標になるかもしれないと、注目を集めるヤマタロウヤドリツノムシ。これから旬を迎える鹿児島の秋の味覚・山太郎ガニとともに多くの県民に親しまれ、鹿児島の自然の豊かさを伝える存在になってほしいと、研究チームは願っています。

(上野准教授)「山太郎ガニを獲ったらヤマタロウヤドリツノムシもいるんだよと、おばあちゃんが子どもや孫に教えるような存在になったらいい」

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