例えば、日本に来た外国人が1万円の化粧品を買う場合、去年のいまごろは1ドル135円だったので、74ドルでした。
8日は昼前に1ドル155円だったため、およそ64ドル。1年前に比べ10ドル=およそ1500円安く買い物ができる計算になります。

日本政府観光局によりますと、日本を訪れた外国人の数は、2019年の3200万人をピークにコロナの影響でその後、激減。去年は2500万人まで回復し、今年は3月までにすでにおよそ850万人と、コロナ禍前の2019年を上回るペースで推移しています。

訪日観光はプラスでも生活は… それでも「円安が地方にチャンス」のワケ

歴史的な円安の効果や影響は、観光だけでなく、生活にどのように影響しているのか、街の人に聞きました。

(50代会社員・不動産業)「海外の客に(不動産を)購入してもらうこともあり、いい影響も(Q賃金への反映は?)少しは上がっている」

(20代会社員)「牛肉が高い、オーストラリア産」

(20代・大阪から帰省)「スーパー行くと何でも高い。きょう買うのやめとこうかなみたいな。野菜すべて高い、ブロッコリー、かぼちゃとか」

円安が進めば、食料など輸入品の値上がりにつながります。さらに、資源エネルギー庁によりますと、日本が輸入に頼っているガソリンの平均小売価格は、鹿児島の場合、レギュラー1リットルあたり182.3円と、円安の影響もあって国内で3番目の高値となっています。

日本銀行鹿児島支店の服部良太支店長は、地方ならではのサービスを提供する企業に「円安は追い風になる」とみています。

(日本銀行鹿児島支店 服部良太支店長)「ハワイに行ったら何もかも高くて大変。そうしたら『日本のハワイ・指宿に行こう』となるかもしれない。観光業とか飲食というのは鹿児島にとって基幹産業。その基幹産業がすごく今チャンス。外国人の需要、あるいは外国からシフトしてきた国内客の需要を捉える絶好のチャンス」

屋久島・縄文杉

一方で、課題もあります。少子高齢化やコロナ禍で進んだ人材不足をどう克服するかです。

(日本銀行鹿児島支店 服部良太支店長)「賃上げなど待遇を良くするなど短期的には効果がある。中期的・長期的に見た時にはデジタル技術を活用する、設備投資を行うなど、この今の環境で海外の需要を取り込めるチャンス。そこは大事な取り組み」