毎年4月から6月は狂犬病の予防注射月間とされています。
狂犬病は、人も犬も発症するとほぼ100%死に至る危険な感染症ですが、犬への予防ワクチンの接種率は7割にとどまっています。
なぜ接種率が伸び悩んでいるのか?取材しました。

飼い主に連れられ、続々と犬がやってきたのは…、狂犬病予防ワクチンの接種会場です。

されるがままの犬もいれば…注射におびえ、震える犬。なんとか逃れようとする犬や、歯をむき出しにして耐える犬もいました。

そもそも狂犬病とはどんな病気なのでしょうか?

狂犬病は、狂犬病ウイルスに感染した動物の唾液や血液が、体内に入ることで感染する病気です。名前に「犬」と入っているものの、人を含めた全ての哺乳類が感染します。

1度感染すると、人であれば発熱や幻覚などが起き、最終的には昏睡状態に。人も犬も有効な治療法はなく、致死率はほぼ100%です。

おもな感染源が犬のため、年に1回のワクチンが飼い主に義務付けられています。

ところが2024年2月、群馬県で飼われていた四国犬が逃げ、公園で遊んでいた小学生ら12人がかまれました。その犬が、狂犬病ワクチンを受けていなかったことが問題となりました。