高知県立牧野植物園で、牧野富太郎博士の生涯にスポットをあてた企画展が始まりました。ドラマの放送は終わりましたが、改めて、博士の魅力を知ることができるほか、貴重な資料も初公開されています。
企画展は、牧野博士が主人公のドラマ「らんまん」の放送が9月で終了したことを機に、博士の生涯や功績を改めて知ってもらおうと開かれ、植物園所蔵の博士の遺品など6万点の資料の中から、101点が展示されています。
博士が植物に興味を持つようになったきっかけは、こちらの本。(『重訂本草綱目啓蒙』)少年時代、博士はこの本で植物の名前を覚え、参考書として使っていました。
その後、16歳の時には、漢文で書かれた植物図の本を忠実に写し、翻訳していて、当時から、植物への知識や非凡な絵の才能があったことがうかがえます。
そしてこちらは、1896年に博士が台湾での調査で採取した標本。1年ほど前に東京大学の博物館の倉庫で見つかり、今回、初公開されています。
このほか、会場では、ドラマを再現したセットや撮影で使われた顕微鏡なども展示されています。
(県立牧野植物園植物研究課 藤川和美 課長)
「ドラマを見た方が余韻に浸れるような工夫もしている。94年の生涯を植物の研究一筋に捧げた牧野博士の情熱や、植物図を見ていただきながら、天才的な技術・技量を持ち合わせた『愛すべき天才・牧野富太郎』を知ってほしい」
企画展は、2024年5月まで、展示物を入れ替えながら開かれます。