特集です。高知を江戸時代に治めていたのは土佐藩藩主・山内家ですよね。その山内家には、五藤家という家老が仕えていました。家老というのは、現在の会社で言うところの幹部ですね。

五藤家の屋敷は現在の高知県安芸市にあり、そのころ使われていた工芸品や武具などがいまも多く残っています。その美しい工芸品を松岡アナが調査してきました。

(松岡葵アナウンサー)
「安芸市に来ています。安芸といえば、藩政時代の風景が残る土居廓中ですよね。生垣があったり、建物がおごそかだったり、本当に時代劇の中に入ったような雰囲気があってとってもいいですよね。藩政時代、安芸を治めていたのが、土佐藩家老の五藤家です。今日はその五藤家にまつわるあるものをリサーチしたいと思います」

土佐藩の家老で、安芸を治めていた五藤家。藩の政治にも関わり、安芸市だけでなく高知城前にも屋敷をかまえていました。

その五藤家ゆかりの品々を、見ることができるのが安芸市立歴史民俗資料館です。

資料館では、植物を描いた美術工芸品を展示する企画展を行っていて、いつもとは違った角度で展示を楽しむことができます。

(松岡葵アナウンサー)
「こちらは?」

(安芸市立歴史民俗資料館 吉村玲音さん)
「五藤家の家紋をあしらった陣笠」

五藤家の家紋には、「藤」があしらわれています。なぜ「藤」が使われたのでしょうか?

(安芸市立歴史民俗資料館 吉村玲音さん)
「藤って繁殖力にが強くて子孫繁栄の象徴。縁起がいいものとしてよく使われている」

(松岡葵アナウンサー)
「藤の家紋っていうのは、五藤家の『藤』という字からきてるんでしょうかね?」

(安芸市立歴史民俗資料館 吉村玲音さん)
「ちょっと定かではないんですけど、五藤って五つの藤と書きますので、その藤を取って藤紋にしたのではないかなあという話はございます」

こちらは五藤家の古い写真。よく見ると着物にも藤があしらわれています。

この人物は誰なのか、いつ撮られたかなどの詳細は不明だそうですが、当時の様子を知ることができる貴重な資料です。

(松岡葵アナウンサー)
「こちらのデザインはいま見頃のショウブですか?」

(安芸市立歴史民俗資料館 吉村玲音さん)
「ショウブはですね名前の響きが、勝ち負けの勝負ですとか武を尊ぶ尚武に通じるのでショウブは武家の方々に好まれたデザイン。甲冑のデザインなどにもあしらわれていました」

(松岡葵アナウンサー)
「こちらすごい豪華ですね!これはなんですか?」

(安芸市立歴史民俗資料館 吉村玲音さん)
「船の形をしたお弁当箱で、藩主の山内家が安芸を訪れた際におもてなしで実際に使った本物になります」

(松岡葵アナウンサー)
「本物ですか!?当時使ったものが今もこうして残っているのってすごいですね!」

(安芸市立歴史民俗資料館 吉村玲音さん)
「藩主の方に出すというのもありましてきれいに残してあったんじゃないかなと思います。」

五藤家には、こんな珍しいものも!

(安芸市立歴史民俗資料館 吉村玲音さん)
「こちらはですね、双六盤といいまして日本最古のボードゲームになっております。双六盤という名前なんですけれども今のすごろくとは、ちょっとルールが違ってまして陣取り合戦の要素が入った戦術的なゲームとなっておりました」

こちらは牡丹の花をあしらった豪華な鞍。馬に乗るための馬具で、馬の背中に装着し、その上に人が座ります。

(松岡葵アナウンサー)
「すごいですねえ!」

(安芸市立歴史民俗資料館 吉村玲音さん)
「よかったら特別に史料を持ってみますか?」

(松岡葵アナウンサー)
「いいんですか?わたし乗馬をしたことがあるんですけどこんなに重さもありませんでした」

(安芸市立歴史民俗資料館 吉村玲音さん)
「式典とかおめでたいときに使われていたかもしれないですね」

(松岡葵アナウンサー)
「こんなね高価そうなものをつけられた馬も緊張しちゃいますね!」

(安芸市立歴史民俗資料館 吉村玲音さん)
「落とさないようにしなきゃ!ってなりますね。」

ここで偶然にも、現在の五藤家当主・五藤正紀(ごとうまさき)さんが資料館を訪れ、少しだけお話を聞くことができました。

(五藤正紀さん)
「初代の人からみたら私が14代目。ただ安芸へ来たのは初代の弟なんでそこからみたら13代目ということらしいです。父親が30~40年前に亡くなったんですけど、その時に家にありましたこういう史料を、全部安芸市に寄贈して、歴民館を建てていただいた」

先ほどの古い写真を見てもらうと…。

(五藤正紀さん)
「わかんないなあ、残念ながら。(Q.もっと上の世代の方?)うちの親の代やったらいっぺん家帰って、昔のアルバム見てみるわ。こういう写真撮ってるんやから明治以降やわな」

現代に続く五藤家の子孫が、謎に包まれた貴重な資料を紐解いてくれるかもしれません。

(松岡葵アナウンサー)
「きょうは本当に貴重な体験をさせていただきました。普段きれいだなって見て通り過ぎてしまうようなデザインに一つ一つ思いだったりとか意味が込められていることを知って展示に対する見方が変わりました」

(安芸市立歴史民俗資料館 吉村玲音さん)
「こうやって実際に史料を見ていただきますととてもうれしいです。ところで、現在は安芸市ではこういった安芸市観光スタンプラリーというのをやっておりましてこちらの施設も対象になっておりますのでお越しの際はぜひスタンプラリーもやっていただければ幸いです」

(松岡葵アナウンサー)
「皆さんに安芸市のこと大好きになってもらえたらいいですね」