高知県立歴史民俗資料館で、“土佐のアイデンティティ”が詰まった企画展が開かれています。開催の背景にはある“特別な思い”がありました。
県立歴史民俗資料館では、企画展「歴史コレクションをひもとくーあつめる、つたえるー」が開かれています。

(県立歴史民俗資料館 那須 望 学芸員)
「歴史民俗資料館の資料がどう集められてきたのか、どういう意図で集め、伝えていこうとしているのか。そこにテーマを絞った展覧会です」
1991年の開館当初は4万点ほどだった資料が、35年間で18万点を超える数に。そのほとんどは県民から寄贈されたものです。
(県立歴史民俗資料館 那須 望 学芸員)
「うちの館で収蔵している資料は、県民の方が使ってきた道具や、土佐の人々の『暮らしに近いところ』で残ってきた資料です」
例えば、明治12年に香美市の須賀神社に奉納されたこちらの直会絵馬(なおらいえま)には、明治時代の高知県民がにぎやかに“おきゃく”をしている様子が描かれています。

(県立歴史民俗資料館 那須 望 学芸員)
「よく見ると『ザンギリ頭』にしている男性だったり、『ちょんまげ』をまだ結ったままの男性だったり。明治の土佐の人たちがどういう姿をしていたかというのが、よくわかります。ここに描かれている1人1人は、名前が残っていない『土佐に暮らした一般的な庶民』であると思うんですけど、そういった人たちがどういう暮らしをしていたか。私たちの先祖がどういう暮らしをしていたか、というのは非常によくわかる『土佐のアイデンティティ』を感じる作品だなと思っています」
全国の博物館では収蔵資料が増え続けていて、文部科学省は3月末博物館の運営基準を改正し、「資料の管理は『廃棄』も含め検討する」と明記されました。資料館でも「3部屋ある収蔵庫がいっぱいで、資料が入りきらない」状態ですが、それでも資料を守り歴史を伝えることの意義を学芸員たちは強調しています。

(県立歴史民俗資料館 那須 望 学芸員)
「今、高知県では人口が減って高齢化ということで、『(文化を)必要だ、守っていこう』という地域母体自体が揺らぎ始めていると思っています。『私たち高知に暮らす人たちが、どういう生活をしてきたか』を伝えるためにはとても重要な資料だと感じていますので、一足飛びに『部屋がいっぱいになったから廃棄しよう』とは、博物館としては考えておりませんので、重要な大切な資料として残していきたいという思いです」
“土佐のアイデンティティ”を伝える企画展は、5月17日まで、県立歴史民俗資料館で開かれています。
(県立歴史民俗資料館 那須 望 学芸員)
「ひとつひとつの資料がどういった意味合いでこの館にあるのかこれを伝えていくことの意味を県民の皆様と一緒に考える企画になれば」













