旧統一教会の田中富広会長が、9日の会見で「辞任」を明らかにし、「一部の方々に深い心痛を与えたことは決して軽視できない」と謝罪しました。教団による被害を訴える高知県在住の橋田達夫さんは「この会見は無意味だ」と、憤りをあらわにしました。

信者に多額の献金問題が指摘されている旧統一教会は、9日に東京で開いた会見で、田中富広会長が自身の「辞任」を明らかにしたうえで、「私たちの活動が一部の方々に深い心痛を与えたことは、決して軽視できない」と、高額献金問題についてお詫びしました。

この会見を、高知県南国市在住の橋田達夫さんはリアルタイムで視聴していました。橋田さんは「元妻が旧統一教会に入信したことで家庭が崩壊し、息子が自殺した」などと、実名で訴えています。

◆橋田達夫
「僕にとっては、この会見は“無意味”に感じています。」

会見での田中会長のお詫びについて、橋田さんは「被害にあった人にきちんと向き合ってから辞めるべきだ」と、憤りをあらわにしました。

◆橋田達夫さん
「もう、最低です。辞任する前に、きちんと被害者に向き合って、本当に1人1人向き合って、亡くなった人もいるんだったらお墓参りもして、(銃撃で死亡した)安倍元総理のお墓参りも全部やって、本当に『解散命令』が出るまでは、精一杯やってもらいたい。こんな、途中で逃げるなんて、どうしようもない」

◆橋田達夫さん
「田中会長が辞任して、今回こういう風に記者会見しても、実際の被害の回復は何もされてないんですよ。『今は被害の回復をしなさい』と。記者会見する時間があればですよね。きちんと被害の回復をすればいいんですよね。やる意味がないです、こんな記者会見は」

◆橋田達夫さん
「この会見は“雑音”にしか聞こえない。『きちんと最後まで責任を持て』と言いたい。この時間をやるなら、本当に、被害者の所に行って、自分の人生をかけて1人1人の被害を回復してあげたらいいですよね」

◆橋田達夫さん
「彼は、逃げるだけ。もう、自分が逃げて、また“後釜”を連れてきて、これも逃げるだけ。これを信じること自体、間違っていると僕は思っています」

このうえで、橋田さんは、今後も被害者を救うための活動を進めていくとしています。