「ヘルメットも買おうか」声をかけなかった理由

大地さんは、高校進学のタイミングで、自転車を購入しました。その時、ヘルメットを試しにかぶっていたといいます。

▼渡邉明弘さん
「ヘルメットを試着してた大地を見て『ヘルメットもいるんだったら買おうか』と声をかけなかったんです。もし買っていて助かったら、今どんな人生だっただろうなっていうことを思ったりします」

この時、渡邉さんが声をかけるのをためらった理由の一つが、ヘルメットの価格でした。

当時のヘルメットは種類も少なく、スポーツタイプのもので、1万円以上していたといいます。購入した自転車が8万円ほど。ヘルメットも購入すればあわせて約10万円。

命には替えられないと、講演に参加していた保護者に向けても呼びかけました。

▼渡邉明弘さん
「正直、きついなって思ったんですよ。だけどもし、お子さん、お孫さんとかがヘルメットをかぶってない状態だったら、一緒に自転車屋さんに行って試着して、そしてそれがヘルメットが例えば2万3万したとしても、もしものことがあった時に2万3万は安いです」

30分間の講演の後で設けられた質問の時間。ある生徒が渡邉さんに「どれくらいで立ち直りましたか」と質問しました。