日本航空と慶應義塾大学が、南海トラフ地震を想定した防災訓練を高知龍馬空港で行いました。

日本航空と慶應義塾大学は社会課題の解決などを目的に連携協定を結んでいます。その一環として防災教育などを専門とする大木聖子(おおきさとこ)准教授の監修のもと今年3月に初めて高知龍馬空港での訓練を行い今回が2回目の実施となりました。
訓練は、空港の周辺で震度7の揺れが発生し、大津波警報も発表された中、40分後に津波の第一波が到達するという想定で行われました。目標は「地震発生後30分以内にターミナル内のすべての人を2階以上に避難させる」ことです。

多くの人が利用する空港では日本語が通じない人やパニックに陥りなかなか避難しない人などさまざまな客を適切に避難させる必要があります。今回は大木ゼミの学生およそ40人がそれぞれの客の行動パターンを演じました。

また、機内に見立てた部屋では、客室乗務員が乗客を落ち着かせてターミナルの屋上に誘導する訓練も行われました。

「大丈夫落ち着いてもうすぐ機内から出ますのでそれまで落ち着いて撮影はやめて!お座席でお待ち下さい」
今回の訓練では避難誘導を円滑に進めることができ、「30分以内に全員を避難させる」という目標をクリアしました。

(慶應義塾大学 環境情報学部 大木聖子 准教授)
「きぜんとした態度でお客様の安全の為に誘導するというのは航空会社が一番持っている知見。航空機事故で発達した知見を防災にもいかすことができた事例として高知空港だけでなく全国の空港やほかの航空会社にも伝えていきたいすごく重要な事例が1つ構築できたと思う」
(日本航空 高知空港所グランドスタッフ 中川夏鈴さん)
「高知県内の方は津波・地震に対して強い意識を持っているが県外の方は津波に対してあまり怖いという意識がないのでその方にいかに『ここは安全ではない』ということを伝えて避難させるかが難しかった」
訓練の様子は20台以上のカメラと職員が付けていたマイクに記録されていて、今後、分析が行われます。
日本航空は今回の訓練の結果をほかの空港にも展開することで災害発生時の対応力を高めていきたいということです。